武家（近世大名）

近世（江戸時代）の大名の一部を記載。
織田・豊臣・徳川政権下で取り立てられて新たに大名となったケースが多い。

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織田家臣系

名前	家紋	家系	起源	概略	藩	主な人物
前田氏		称・菅原氏	尾張国	尾張国の土豪だったが、前田利家が織田信長や豊臣秀吉に仕え、加賀・能登・越中を支配する大名に成長。利家は豊臣政権の五大老となり、加賀藩の基盤を築いた。 江戸時代には加賀藩主家として存続し、幕末には尊皇派として活動した。	加賀藩 富山藩、など	・前田利家
池田氏		称・清和源氏 頼光流	美濃国池田郡池田荘	戦国時代には織田信長に仕え、池田恒興とその子・輝政が戦功を挙げた。輝政は関ヶ原の戦いで徳川方につき、姫路藩52万石を与えられた。 江戸時代には、岡山藩や鳥取藩の大名家として存続。幕末には藩論の調整に奔走した。	岡山藩 鳥取藩、など	・池田恒興
丹羽氏		称・良岑氏	尾張国丹羽郡	尾張国の斯波氏に仕えた。丹羽長秀は織田信長に仕え、明智光秀討伐で功績を挙げる。後に豊臣秀吉に従い大名となるが、後に減封。 江戸時代には常陸国や陸奥国などで大名家として存続し、幕末には奥羽越列藩同盟に参加した。	二本松藩、など	・丹羽長秀
柴田氏		称・清和源氏 斯波氏流	越後国柴田	織田氏に仕え、戦国時代に柴田勝家が若くして家老となり、織田信長を支えた。本能寺の変で信長が急死すると羽柴秀吉と対立し、賤ヶ岳の戦いで敗れて滅亡。なお、勝家の養子である柴田勝政（佐久間盛次の三男）の子・勝重が徳川家康に仕えており、その後も江戸幕府の旗本として柴田の家名を残した。	–	・柴田勝家
滝川氏		称・紀氏	近江国甲賀郡	近江国甲賀郡を発祥とし、安土桃山時代には織田信長の重臣として活躍した滝川一益を輩出した。一益は伊勢国や上野国を領したが、本能寺の変後に没落。その後、江戸時代には一益の子孫が旗本として存続し、他の系統も尾張藩や常陸国片野藩で活動。	–	・滝川一益
佐久間氏		桓武平氏 三浦氏流	安房国平群郡狭隈郷	安房国を起源とし、和田合戦で越後国に逃れた後、上総国や尾張国に拠点を置いた。 戦国時代には織田信長に仕えたが、賤ヶ岳の戦いで勢力を失った。江戸時代には分家が信濃飯山藩や長沼藩を治めたが、いずれも断絶した。	飯山藩、など →断絶	・佐久間信盛
森氏		清和源氏 義隆流	相模国愛甲郡毛利庄	戦国時代、森可成が織田信長に仕えて功績を挙げた。可成の子、長可と忠政は近世大名となり江戸時代には津山藩を治めたが、後に赤穂藩に転封。幕末には官軍に参加した。	津山藩 赤穂藩	・森可成 ・森成利（森蘭丸）
中川氏		称・清和源氏 頼光流	摂津国豊島郡中川村	摂津国出身の武家。中川清秀が織田信長に仕えた後、豊臣秀吉に仕え賤ヶ岳の戦いで戦死。孫の秀成の代に豊後国岡に移り、関ヶ原の戦いでは東軍に属して岡藩を維持。江戸時代を通じて岡藩主として続いた。	岡藩	・中川清秀

豊臣家臣系

名前	家紋	家系	起源	概略	藩	主な人物
黒田氏		称・宇多源氏 佐々木氏流	近江国伊香郡黒田村	戦国時代後期に播磨国の国人領主として活動し、黒田重隆の孫・黒田孝高（官兵衛）が豊臣秀吉に仕えた。関ヶ原の戦いで徳川方に付き、福岡藩を立藩し以後も大名として存続。	福岡藩 秋月藩、など	・黒田孝高（如水/官兵衛）
蜂須賀氏		称・清和源氏 斯波氏流	尾張国海東郡蜂須賀郷	南北朝時代に南朝方の武将として活躍し、戦国時代には蜂須賀正勝が羽柴秀吉に仕えたことで知られる。正勝の子、家政は阿波国に入封し、徳島藩の基礎を築いた。	徳島藩、など	・蜂須賀正勝（小六）
竹中氏		桓武平氏 鎌倉氏流	–	平安時代末期の鎌倉氏の一族から派生し、美濃国で勢力を築いた。戦国時代には竹中重治が豊臣秀吉の軍師として活躍。重治の子、重門は関ヶ原の戦いで東軍に付き、徳川家康から領地を安堵され、旗本として存続。幕末には竹中重固が幕府軍の指揮官として活動したが、鳥羽・伏見の戦いで敗れ、改易された。	府内藩 →改易	・竹中重治（半兵衛）
浅野氏		称・清和源氏 土岐氏流	美濃国土岐郡浅野村？ 尾張国丹羽郡浅野村？	関白・豊臣秀吉の正室である北政所の養家で、秀吉の下で大名として台頭した。浅野長政は五奉行の一員として活躍し、息子の浅野幸長は徳川家康に付き関ヶ原で功を挙げた。江戸時代には広島藩主となり、明治維新では官軍として貢献した。	広島藩 赤穂藩、など	・浅野長政 ・浅野長矩（内匠頭）
石川氏		清和源氏 義時流	–	石川氏は鎌倉時代に南河内の大勢力となるが、楠木正成らにより衰退し各地に離散した。三河に移った一族は松平氏に仕え、石川数正は徳川家康の家臣として活躍。数正系が改易された後も別の系統（家成系）は譜代大名として続いた。	亀山藩、など	・石川数正 ・石川家成
加藤氏		称・藤原北家 御子左流	尾張国愛知郡中村	戦国時代、加藤清正は豊臣秀吉に仕えて最終的に肥後熊本の領主に栄進。秀吉没後は徳川家康に近づき、関ヶ原の戦いでも東軍に属して武功を立て、戦後52万石に加増されて熊本藩主となる。しかし、子の忠広の代に改易となる。尚、忠広の末裔は大庄屋として存続した。	熊本藩 →改易	・加藤清正
福島氏		不明	尾張国海部郡	武家の一族ではなかったとされるが、豊臣秀吉の縁者（叔母の嫁ぎ先）として取り立てられる。戦国時代には福島正則を輩出し、尾張国清洲24万石を領した。関ヶ原の戦いでは東軍に付き、戦後は安芸国広島藩49万8,200石を与えられた。しかし元和5年（1619年）、広島城の無断修繕を理由に改易。末裔は、2000石の旗本として徳川家に仕えた。	広島藩 →改易	・福島正則
堀氏		称・藤原北家 利仁流 清和源氏 斯波氏流	美濃国厚見郡茜部	美濃国出身の武家。堀秀政が織田信長、豊臣秀吉に仕え、越前北ノ庄18万石を領した。その後、秀政の子孫は越後春日山や信濃飯田などに転封されたが、江戸時代に入ると改易や分封が相次いだ。	福嶋藩 飯田藩、など	・堀秀政（藤原氏系） ・堀直政（斯波氏系）
木下氏		不明	尾張国愛知郡中々村	木下氏は豊臣秀吉を輩出した一族として知られる。秀吉は戦国時代に織田信長に仕え大名となり、天下人へと登り詰めた。秀吉の死後、豊臣宗家は大坂夏の陣で滅亡したが、木下氏の一部は江戸時代を通じて大名として存続した。	足守藩 日出藩、など	・木下藤吉郎（豊臣秀吉） ・木下家定
仙石氏		清和源氏 土岐氏流？	美濃国山県郡中村千石谷	美濃国出身で、仙石秀久が豊臣秀吉の下で大名に出世した。秀久は初め斎藤氏に仕え、その後織田信長や羽柴秀吉に仕官し、四国征伐や小田原征伐で功績を挙げた。江戸時代には信濃小諸藩や但馬出石藩を治め、外様ながらも徳川氏から信頼を得た。	出石藩、など	・仙石秀久（権兵衛）
山内氏		称・藤原北家 秀郷流	土佐国	藤原北家秀郷流の備後山内氏の分家とされるが、詳細は不明。戦国時代、山内一豊が信長や秀吉に仕え、大名に出世。関ヶ原の戦いで東軍に与し土佐藩主となる。	土佐藩	・山内一豊

徳川家臣系

名前	家紋	家系	起源	概略	藩	主な人物
酒井氏		称・大江氏流 海東氏	三河国碧海郡酒井郷	三河国の領主から発展し、松平氏と共に勢力を拡大。戦国時代には徳川家康に仕え、譜代大名として重用された。特に酒井忠次は三河吉田城主となり、関東移封後も重要な役割を担う。江戸時代には多くの老中や大老を輩出した。	庄内藩 小浜藩、など	・酒井忠次
井伊氏		称・藤原北家 良門流	遠江国引佐郡渭伊郷井伊谷	中世以来約500年間、遠江国井伊谷を治めた。南北朝時代には南朝方として戦うが、北朝方により落城。戦国期には今川氏と対立するが、井伊直政が徳川家康に仕えて台頭。江戸時代には彦根藩を治め、幕府大老を輩出した。幕末には井伊直弼が大老となり、安政の大獄を指揮したが、桜田門外の変で暗殺された。	彦根藩 与板藩、など	・井伊直政 ・井伊直弼
榊原氏		称・清和源氏 仁木氏流	三河国	戦国時代には松平氏に仕え、徳川家康の家臣として功績を挙げた。榊原康政は徳川四天王の一人となり、上野国館林藩主に任じられる。江戸時代には譜代大名として幕府に貢献し、越後高田藩を治めた。幕末には官軍に協力し、戊辰戦争で戦功を立てた。	高田藩、など	・榊原康政
本多氏		称・藤原北家 九条流	豊後国日高郡本多郷？	戦国時代に三河の国人領主として松平氏に仕えた。一族から徳川四天王の本多忠勝を輩出し、江戸時代には酒井氏、井伊氏、榊原氏と並ぶ譜代大名として影響力を持ち、多数の大名家を形成した。	郡山藩 岡崎藩、など	・本多忠勝 ・本多正信
水野氏		称・清和源氏 満政流	尾張国知多郡阿久比郷小河 尾張国春日井郡水野郷	戦国時代に三河国刈谷城主として台頭。今川氏や織田信長と関係を持ちつつ、徳川家に仕える。水野信元は家康と信長の同盟を仲介するが、後に信長により誅殺される。江戸時代には譜代大名となり、多くの老中を輩出する。	結城藩 沼津藩、など	・水野勝成 ・水野忠邦
藤堂氏		称・中原氏	近江国犬上郡藤堂村	近江国発祥で、戦国時代に藤堂高虎が著名となり、多くの主君に仕えて大名に成長。賤ケ岳の戦いや朝鮮出兵で戦功を挙げ、最終的に津藩を治めた。江戸時代を通じて藤堂家が治め続けた。	津藩	・藤堂高虎
土井氏		称・清和源氏 土岐氏流	三河国額田郡土井村	戦国時代に土居利昌が徳川家康に仕え、利勝の代で幕府老中・大老を歴任。利勝の死後、その遺領は4子に分与され、以後も幕府重職を輩出した。	古河藩 大野藩、など	・土井利勝
板倉氏		称・清和源氏 渋川氏流	下野国足利郡足利庄板倉	戦国時代に松平氏に仕え、江戸時代には備中松山藩などで譜代大名として続いた。板倉勝重が徳川家康に重用され、町奉行や京都所司代を歴任。幕末には備中松山藩主が幕府老中となるが、戊辰戦争で官位を剥奪される。	松山藩、など	・板倉勝重
鳥居氏		称・藤原北家 師尹流	三河国矢作庄	三河国の土豪で、松平氏に仕えて活躍。鳥居元忠が徳川家康の部将として軍功を立て、関ヶ原の戦いで戦死。江戸時代初期には出羽国山形藩22万石を領したが改易。その後も下野国壬生藩3万石で存続した。	山形藩 壬生藩、など	・鳥居元忠
大久保氏		宇都宮氏庶流	三河国	三河と薩摩に分かれる武家一族。三河大久保氏は徳川家に仕え、戦国時代に大久保忠員とその子孫が合戦で活躍。江戸時代には大名家として小田原藩などを治めた。薩摩大久保氏は幕末の政治家・大久保利通を輩出した。	小田原藩 烏山藩、など	・大久保忠世